花火撮影、初めてやってみたら「なんか違う」ってなりませんでしたか?
スマホで撮ったら手ブレでグチャグチャ、カメラで撮ったら露出オーバーで真っ白——そんな失敗をした人は多いはずです。ぼくも最初の花火大会は同じ轍を踏みました(笑)。
でも実は、花火撮影に必要なテクニックはシンプルです。三脚・バルブ撮影・比較明合成——この3つを押さえるだけで、SNSに流れているような印象的な花火写真が撮れるようになります。
この記事では、FUJIFILM X-H2を使って実際に花火大会で撮影したぼくが、当日の準備から後処理まで全手順を順番に解説します。初心者の方でも今年の花火大会からすぐに実践できる内容です。
花火撮影に必要な機材チェックリスト
当日あわてないように、事前に機材を確認しておきましょう。
| 機材 | 必要度 | ポイント |
|---|---|---|
| 三脚 | ★★★ 必須 | 耐荷重に余裕のあるもの。コンパクトが◎ |
| レリーズ(リモコン) | ★★★ 必須 | バルブ撮影時の手ブレ防止。アプリでも代用可 |
| カメラ本体 | ★★★ 必須 | マニュアル露出とバルブモードが使えるもの |
| レンズ | ★★★ 必須 | 標準〜望遠ズーム(24-105mm相当)が使いやすい |
| 予備バッテリー | ★★☆ 推奨 | 長時間露光でバッテリー消費が激しい |
| SDカード(余裕ある容量) | ★★☆ 推奨 | RAWで大量に撮るので128GB以上推奨 |
| 懐中電灯・ヘッドライト | ★☆☆ あると安心 | 暗い会場での機材操作に |
当日の場所取りと準備
良い写真を撮るためには機材より先に「ポジション」が重要です。
場所取りのポイント
- 風向きを確認する:できれば風上側に陣取ること。風下だと花火の煙が流れてきて画面を覆ってしまいます
- 花火師から離れた場所:打ち上げ場所に近すぎると見上げる角度になって、花火が縦長に伸びた構図になりがち。ある程度離れた方が花火全体を美しく収められます
- 三脚が置ける平らな場所:砂浜や土手など足場が悪い場所は三脚が安定しにくい。来場者に迷惑をかけない場所で三脚を展開できるか事前に確認を
- 背景にビルや橋を入れる:花火だけでなく夜景と組み合わせると写真に奥行きと情景が生まれます
わたしは過去に風下に陣取って、打ち上げのたびに煙が流れてきて後半の花火がほとんど霞んでしまった、という苦い経験があります。当日の風向きは天気予報で確認してから出発しましょう。
三脚の設置と構図の決め方
花火撮影で三脚は必須です。花火の美しい写真は、花火が開いてから消えるまでシャッターを開けっ放しにした「長時間露光」で撮影されています。手持ち撮影だとどうしても手ブレが出て、花火の軌跡がぶれてしまいます。
三脚を使うことでカメラをしっかり固定でき、シャッタースピードを自由にコントロールできます。
三脚選びのポイント
- 耐荷重:カメラ+レンズの重量より余裕のある耐荷重のものを選ぶ
- コンパクトさ:花火大会は人が多い。折りたたみ時に小さくなるものが持ち運びしやすい
- 足のロック:地面が不安定な場所でもしっかり固定できるものを
わたしが使っているトラベル三脚のレビューはこちら。コンパクトで花火大会や旅行先への持ち出しにも便利です。

構図の決め方
三脚をセットしたら花火が上がる方向と高さを予測し、構図を固定します。事前に試し打ちや過去の映像でどのあたりに花火が上がるか確認しておくと◎。
花火が画面の上半分に収まるよう余白を持たせるのがコツです。花火は予想より高く上がることが多いので、広めに構えておきましょう。地面や川・建物を下側に入れると写真に奥行きが出ます。
カメラの設定(FUJIFILMでの具体的な設定値)
花火撮影ではM(マニュアル)モードが基本です。「Mモードは難しい」と感じるかもしれませんが、花火の場合は設定値がある程度決まっているので安心してください。
| 設定項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| 撮影モード | M(マニュアル) | シャッタースピードとF値を完全コントロール |
| シャッタースピード | バルブ(BULB) | 花火の軌跡を始まりから終わりまで収める |
| F値(絞り) | F8〜F11 | 花火自体が明るいので絞り気味でOK。風景全体にピントが合う |
| ISO | ISO100〜200 | ノイズを最小限に。暗ければ少し上げる |
| フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) | 暗い夜空にAFは効かない。∞(無限遠)に設定 |
| ホワイトバランス | 3200〜4500K(色温度固定) | AWBだと打ち上げのたびに色が変わりやすい |
| ファイル形式 | RAW+JPEG | 後処理で調整できるようRAWで残す |
バルブモードとは
バルブモード(BULB)は、シャッターボタンを押している間だけシャッターが開き続ける設定です。これにより、花火が打ち上げられ、開花して消えるまでの全行程を1枚の写真に収めることができます。
FUJIFILMの場合、シャッタースピードをT(タイム)またはBULBに設定します。ただし、手でシャッターを押し続けると振動が伝わって手ブレが発生するため、レリーズ(リモートシャッター)を使うことが重要です。
ぼくはFUJIFILMの純正アプリ「XApp」のリモートシャッター機能を使ったこともありますが、若干の通信遅延があるため、レリーズを用意する方が快適です。FUJIFILMの純正は少し高いですが、互換品でも十分使えます。
バルブ撮影の手順
- 花火が打ち上がる音(ドン!)を聞いたらレリーズを押す
- 花火が開花し、軌跡が広がっている間はシャッターを開けたまま
- 花火の光が完全に消える直前にレリーズを離してシャッターを閉じる
- 露光時間の目安は2〜10秒。花火の種類やペースで調整する
こんな感じで撮れます。


ISOは常用感度の一番低い値(FUJIFILMならISO125)からスタートするのがおすすめです。花火自体が十分明るいので、ほとんどの場面でISO125〜200で対応できます。少し暗く感じたときだけISO400程度まで上げましょう。
比較明合成でSNS映えする1枚に仕上げる
SNSで「花火が画面いっぱいに広がって写っている写真」を見たことはありませんか?実際の花火大会ではあんなシーンはありません(笑)。あれは比較明合成という後処理テクニックで作られています。
比較明合成とは、複数の写真を重ね合わせ、各ピクセルで最も明るい値を採用する合成方法です。連続して打ち上げられた花火を複数枚撮影し、それらを重ねることで一枚の写真に大量の花火を収めることができます。
比較明合成の手順
- 三脚を固定したまま複数枚撮影する:カメラの位置を変えると建物や地面がズレて不自然な合成になってしまいます。三脚で固定した状態で同じアングルの写真を10〜30枚程度撮影します
- 使う写真を選ぶ:すべてを使う必要はありません。花火のバランスがよいものや構図に合うものを10〜20枚程度ピックアップします。煙が多い写真は避けた方が無難です
- 現像ソフトでレイヤーとして重ねる:Photoshop・Lightroom・SILKYPIXなど多くのソフトで比較明合成ができます。レイヤーを重ねて描画モードを「比較(明)」に設定するだけです
- 仕上げに露出・色調を調整:合成後に全体の明るさ・コントラスト・色温度を微調整して完成です
ぼくはSILKYPIXを使っています。FUJIFILMのフィルムシミュレーションを活かした色調整ができるので相性がいいです。
実際に比較明合成した写真がこれです。

悪くない仕上がりだと思いませんか?(笑)
比較明合成の注意点
打ち上げ間隔が短すぎると、花火の軌跡が重なり合って画面がごちゃごちゃした印象になります。意図的に重ねる場合を除き、数秒間隔でシャッターを切ってシンプルな構図を狙うのが美しい仕上がりへの近道です。
また、あまり枚数を重ねすぎると夜空の明るさが増して背景が白くなりすぎることがあります。最初は5〜10枚程度で試してみましょう。
よくある失敗と対処法
| 失敗 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 花火が白飛びする | F値が低すぎる・ISOが高すぎる | F8〜F11に絞る、ISO100〜200に下げる |
| 花火が暗くて軌跡が薄い | シャッターを閉じるのが早い | 花火が完全に消えるまでシャッターを開けたままにする |
| 画面が手ブレでぶれている | 三脚なし or レリーズなし | 三脚+レリーズを使う。撮影中にカメラに触れない |
| 煙で花火が見えない | 風下に陣取っている | 天気予報で風向きを確認し、風上側に移動 |
| AFが迷ってシャープに写らない | 暗い夜空にAFが合わない | MFに切り替えて無限遠(∞)に設定する |
| 色が毎回変わってしまう | AWB(オート)が花火に反応している | 色温度を3200〜4500Kに固定する |
よくある質問(FAQ)
Q. 三脚なしで花火をキレイに撮ることはできますか?
A. 1〜2秒程度の露光でも手持ちでは手ブレが出てしまい、花火の軌跡がぶれます。バルブ撮影で美しい軌跡を撮るには三脚は必須です。どうしても三脚が使えない場合は柵や地面にカメラを固定するなど代替手段を考えましょう。
Q. ズームレンズと単焦点、どちらが花火向きですか?
A. 花火撮影にはズームレンズが向いています。花火の規模や打ち上げ位置によって最適な画角が変わるため、その場で素早く調整できるズームの方が圧倒的に使いやすいです。FUJIFILMなら XF18-55mm や XF16-80mm などの標準ズームが使いやすい焦点距離です。
Q. RAWとJPEGどちらで撮ればいいですか?
A. RAW+JPEGの同時記録がおすすめです。RAWで後処理の自由度を確保しながら、JPEGでFUJIFILMのフィルムシミュレーションを活かした色調も楽しめます。比較明合成はRAWの方が精細な合成ができます。
Q. 比較明合成はどのソフトでできますか?
A. Photoshop・SILKYPIX・Lightroom(プラグイン使用)などで対応できます。Photoshopなら「ファイル」→「スクリプト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」で複数写真を重ね、レイヤーのブレンドモードを「比較(明)」に設定するだけです。比較的操作が簡単なのでぜひ試してみてください。
Q. スマホでも比較明合成できますか?
A. できます。「Screenbend」「ProCamera」など比較明合成機能を持つスマホアプリがあります。ただし撮影時の手ブレ対策は必須なので、スマホスタンドや三脚アダプターを使いましょう。クオリティはカメラ+三脚には劣りますが、気軽に試してみるには十分です。
まとめ
花火撮影のポイントをまとめます。
- 三脚+レリーズを使う——手ブレなしの安定した長時間露光が最重要
- M モード・F8〜F11・バルブ・ISO100〜200——この設定値を覚えておけばOK
- フォーカスはMFで∞に固定・WBは色温度固定——オートに任せない
- 比較明合成で複数の花火を1枚に集約——SNS映えする仕上がりに
- 当日は風上に陣取る——煙対策は準備段階から
三脚を使ってカメラを安定させ、バルブ撮影で花火の軌跡を収め、比較明合成で仕上げる——この3ステップを押さえれば、SNSで話題になるような花火写真が撮れるようになります!
今年の花火大会でぜひ試してみてください。きっと去年までとは全然違う1枚が撮れますよ。
今回使用した機材はこちら。


