最近は様々な施設でイルミネーションやライトアップイベントが開催されるようになりましたね。
ですが、目で見た感じはとてもキレイなのに「カメラで撮ったらイマイチだった…。」なんてことはありませんか?
今回はそんな悩みを解決するイルミネーション・ライトアップイベント撮影時の2つのポイントについて書いていこうと思います。
今回の撮影場所
今回の撮影場所は仙台市若林区にある「せんだい農業園芸センター」。
農と触れ合う交流拠点として様々なイベントを行っているのですが、年に数回イルミネーション・ライトアップイベントを開催しています。
その中で毎年3月半ばごろから下旬にかけて開催されているのが「うめみナイト」というイベントです。
その名の通り梅の花のライトアップイベントになるのですが、梅の他にも様々な展示物を設置して来場者を楽しませてくれます。
私もこれまで2回ほどイベントに参加しましたが、非常に綺麗にライトアップされていて見ごたえがありました。
今回は3回目の参加となる「うめみナイト2024」に行ってきましたので、イルミネーションやライトアップイベントの撮影方法も交えながら紹介していきたいと思います。
イルミネーション・ライトアップイベントの撮影に必要なもの
イルミネーションやライトアップイベント撮影時に必要なものですが、ズバリF値の低い単焦点レンズと三脚です。
ただしこの2つを組み合わせて使うわけではなく、それぞれの異なる表現になりますので最低限このどちらか1つでもOKです。
単焦点レンズについてはF値2以下であれば大丈夫です。F値1.4以下だと言うことなしですね。
三脚はアルミやカーボン製であれば文句無しですが、カメラやレンズが軽ければプラスチック製でもなんとかなると思います。
ちなみに私が今回使用した機材については紹介した記事のリンクを下に貼っておきますので、良ければご覧になってください。
次にそれぞれの機材でどの様な写真が撮れるか、作例を交えながら紹介していこうと思います。
大口径単焦点レンズの場合
まずはF値の低い単焦点レンズを使用した場合の撮影方法です。
この場合のF値は1番低い値(開放)に設定します。
理由はイルミネーションやライトアップイベントは夜になってから開催されるので辺りが暗く、少しでも光を取り込む為です。
結果としてISO感度を下げることができ、ノイズの少ない写真にすることができます。
そしてF値を低くすると電球やLEDライトが玉ボケになります。ここが1番のポイントです。
イルミネーションやライトアップイベントはその光を主題として取り上げがちですが、それらはあくまで副題です。
今回の場合ですと梅の花が主題で、LEDライトが副題となります。
イメージとしてはこんな感じです。
後ろに見える玉ボケは、梅を照らすライトですね。
メインは梅ですが、その周りにうまく玉ボケが来るように(立入禁止の区間等には入らないようにしつつ)構図を調整して撮るのがポイントになります。
これがなかなか難しいんですけどね(笑)
三脚を使用する場合
次に三脚を使用する場合の撮影方法についてですが、まず大前提として三脚の使用が認められていない場合は使用しないでください。
イベントのHPや現地のスタッフさんなどに聞いて、三脚の使用が認められているのが確認できる場合のみ使用するようにしましょう。
使用が可能な場合は手ブレの心配はないのでISO感度を常用の1番低い値まで下げて長秒露光を行います。長秒露光とはその名の通り、数秒間から数十秒間シャッターを開きっぱなしにすることです。
ISO感度を低くする分、シャッターを開けている時間を長くすることで光を多く取り込み、明るさを確保すると言うことですね。
ただし、風が強いときなどは木の枝などがブレてしまう被写体ブレが起きやすいので、ISO感度を上げてシャッタースピードを調整してください。
何回か試しで撮ってみて、「ブレてないな。」と思えれば大丈夫です。
また、F値については単焦点レンズの時とは逆で8〜14位の値にします。これは、ライトの光を光条にして写真のアクセントにするためです。
光条(光芒)とは光源の周りに放射状に伸びる光の筋のことを言います。
イメージとしてはこんな感じです。
光条の出方はレンズの絞り羽の枚数によって異なりますが、どんな形であれいいアクセントになりますので是非やってみてください。
更に被写体ブレを気にせず長秒露光が可能な時はもう1つメリットがあります。それは人を消すことができるということです。
イルミネーションやライトアップイベントは非常に人気のコンテンツなのでかなりの人が見に来ています。
そのため、写真を撮ってもどうしても人が写ってしまうなんてケースが多いと思いますが、長秒露光もを行えばその悩みも解決することができるんです。
わかりやすいように例を載せます。
まずは少し失敗した例です。画像左下に人の影が見えますよね。ですがかなりブレて見えると思います。
これは長時間シャッターを開けているので、その間に動いてしまったからかなりぶれて写ってしまっているわけです。
裏を返せばずっとシャッターを開けている時にほんの一瞬通り過ぎるだけであれば、ほとんど人影が写りません。これを上手く利用するわけですね。
このようなイベントの時はみなさんスマホ等でも写真を取りたいと思うので、上手く通り過ぎるタイミングはかなり少ないかもしれませんが、タイミングが良ければ次の写真のようにすることができます。
この写真だと人影なんて見えませんよね。一応手前ではなく奥に人が通っているので、ほんの少しうっすらとして影があるのですが、ほとんどわからないと思います。
こういった事ができるのも三脚を使った撮影ならではですね。
また、これは間接的な三脚での撮影でのメリットですが、キットレンズでも撮影できる点が良いところです。
基本的にシャッタースピードを気にしなくていいので、F値が低くできないレンズでも撮影できます。
今回の様なイルミネーション・ライトアップの撮影や工場夜景の撮影の場合はF値を上げて光源を光条にしてアクセントにすることが多いので、F値の低いレンズは必須ではありません。
お財布に優しいのは嬉しいですね!(三脚は購入しないといけないですが…。)
作例
最後に今回撮影した写真を作例として載せたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。イルミネーション・ライトアップイベント撮影時の2つのポイントについて書いてみました。
1つはF値の低い単焦点レンズを使用して、イルミネーションやライトを大きくボカして撮影する方法。もう1つは三脚を使用して長秒露光を行い撮影する方法です。
どちらか1つでも出来るようになると、非常に写真のクオリティが上がって写真を撮るのが楽しくなると思います。
今回の内容がイルミネーション・ライトアップイベントの撮影時にお役に立てれば幸いです。