パンケーキレンズというものをご存知ですか?その名の通りパンケーキのように薄いレンズのことを言います。
今回はFUJIFILMのパンケーキレンズの1つXF27mm f2.8 R WRを紹介したいと思います。
焦点距離27mm、35mm判換算で約41mmとなるのでスナップ用途に適したレンズになります。
このレンズの特筆すべきところはパンケーキレンズと評されるだけあり、やはり軽さと薄さ。レンズの重さがほとんど無いので気軽に持ち運べます。
また、パンケーキレンズはその軽さ、薄さゆえに描写性能は二の次になりがちですが、このレンズは小さいながらもしっかりと写ります。
そのあたりも含めて使って感じたことなどを踏まえてレビューしていきます。
スペックについて
レンズの基本的なスペックについて以下に記載します。
レンズ構成 | 5群7枚 (非球面レンズ1枚) |
焦点距離 | f=27mm (35mm判換算:41mm相当) |
F値 | F2.8~F16 ステップ段差:1/3ステップ(全16段) |
絞り羽 | 羽根枚数:7枚 |
最短撮影距離(撮像素子面から) | 34cm |
最大撮影倍率 | 0.1倍 |
質量 | 84g(レンズキャップ・フード含まず) |
フィルターサイズ | ø39mm |
最大の特徴は重量が驚異の84gということ!なんと100gを切っています。
更にパンケーキレンズなのにレンズ構成が5群7枚となっており、この薄さにしてはかなりよく映るレンズになっています。
外観について
レンズの外観について見ていきましょう。
薄さがわかりやすくなるように俯瞰で撮りました。
レンズの先がグリップとほぼ同じ位置です。
レンズキャップを外すとこんな感じです。
X-H2がコンパクトカメラになってしまいました。
ちなみにフジツボ型のレンズフードも同梱されているのですが、個人的にはつけた際の見た目があまり好きではないので付けていません。
あと、やはりこのレンズはX-proシリーズやX-Eシリーズの方がトータルでのデザインは良いような気がしますね。
持ち歩くのが苦にならない
このレンズの最大のメリットは、いつでもカメラを持ち歩くことができるようになるということです。
私が所有しているボディはX-H2で、Xシリーズの中でも大きい方になります。
このレンズを所有する前は機材をコンパクトにしたい時はSIGMAの56mmを使用していました。
軽くてコンパクトなのは間違いないのですが、それでも通勤バッグにカメラを入れて持ち歩くということはほとんどありませんでした。
ですがそのレンズを購入してからは、X-H2がコンパクトカメラのように扱えるようになり、通勤時も気軽にバッグに入れて持ち運ぶようになりました。
パンケーキなのによく映る
このレンズ、軽くて薄いのに意外とよく映ります。
パンケーキレンズって比較的柔らかめな写りをするイメージがあるんですが、このレンズは結構パキッとしたシャープな写りをすると思いませんか?
普段使いにちょうどいい画角
このレンズを使ってみて35mm判換算で約41mmの画角って意外と使いやすいと感じました。
家族と旅行に行った際にこのレンズを持っていったのですが、軽さはもちろん画角的にも広すぎず狭すぎず、かなり丁度良かったです。
富士ユーザーには嬉しい絞りリング付き
レンズ名に記載されている「R」は絞りリングがあるレンズだということを表しています。
FUJIFILMユーザーあるあるだと思いますが、レンズに絞りリングって欲しくなるんですよね。
実はこのレンズ、いわゆるⅡ型のレンズで旧型は2013に発売されているのですが、こちらには絞りリングは搭載されていませんでした。
その後、2020年11月にリニューアルされた際に絞りリングが搭載されたという経緯があります。
絞りリングがあるおかげで、撮影前からカメラの電源を入れていないときでもF値を確認することができます。
また、瞬時にF値を設定できるのも絞りリングがあるメリットの1つですね。正直絞りリングは必須ではないのですが、有るに越したことは無いですね。
防塵防滴仕様でどんな時でも持ち歩ける
レンズ名に記載されている「WR」は防塵防滴仕様を表しています。
そのおかげでどんなシーンでも安心して使用できます。
ちなみにこの防塵防滴仕様もⅡ型になってから追加された機能です。7カ所にシーリング処理が施されているようで、防塵防滴のボディとあわせることで機能を十分に発揮できるようになります。
天候を選ばず撮影できるので、雨の日でも気にせず撮影できるのは嬉しい点ですね。
あまり寄れない
このレンズをレビューしている方みなさんがいっていることですが、やはりこのレンズ最短撮影距離が34cmということであまり寄れません。
このあたりは食べ物などを撮影したい方などは気になる部分かと思います。
ただし、ちょっとした裏技みたいなものを利用して撮影することはできます。
この写真だと結構寄れているように見えませんか?
実はデジタルテレコンで1.4倍にして撮影しています。物理的に寄れないのは変わりませんが、擬似的に寄って撮ったような写真にすることはできます。
まぁ、ちょっと仰け反って撮ることになるのは変わらないんですけどね…(笑)
ただ、日常のスナップや風景撮影を撮影する分にはデメリットが大きな問題となることはほとんどないと思います。
AFの音が煩わしい
このレンズのもう1つのデメリットは、AF音が煩わしいということです
他のインナーフォーカス仕様のレンズとは異なり、繰り出し式のフォーカス方式の為なのか「ジジジジ…」というような音がして結構気になります。
動画等では間違いなくAF音を拾ってしまうので基本的には使えないですね。
ただし、静止画撮影がメインであればAF自体はスピードも精度も十分なため、日常使いでは大きな問題にはならないと思いますよ。
作例
最後にこのレンズで撮った写真をいくつか載せたいと思います。
まとめ
FUJIFILM XF 27mm f2.8 R WRは、そのコンパクトさと軽量さ、高い描写力で、日常使いに最適なレンズです。
パンケーキレンズという制約を感じさせない画質の高さ、そして防塵防滴仕様でどんな場所でも安心して持ち運べる点が魅力的です。
寄れない点やAF音が少し気になるかもしれませんが、これらのデメリットを上回るメリットが多くあります。普段使いのレンズとして、一度手に取ってみる価値は十分にあるでしょう。
ぜひ、あなたのカメラバッグに一つ加えてみてはいかがでしょうか。