FUJIFILMの大三元レンズの1つ、望遠域をカバーするXF50-140mm f2.8 R LM OIS WR。
筐体には高性能ズームレンズにしか付けられないレッドバッジを有するレンズです。
フルサイズ機で言うところのいわゆる70-200mmに相当する望遠レンズになります。
望遠レンズですが、様々な被写体に対応できるポテンシャルがあり、意外にも万能性があるなと使ってみて感じました。
もちろんXF16-55mm f2.8同様に高い描写性能を有しています。
私が使って感じたことなどを踏まえてレビューしていきます。
スペックについて
レンズの基本的なスペックについて以下に記載します。
レンズ構成 | 16群23枚(異常分散レンズ6枚、内1枚スーパーEDレンズ) |
焦点距離 | f=50-140mm (35mm判換算:76-213mm相当) |
F値 | F2.8~F22 ステップ段差:1/3ステップ(全19段) |
絞り羽 | 羽根枚数:7枚(円形絞り) |
最短撮影距離(撮像素子面から) | 1m |
最大撮影倍率 | 0.12倍(望遠) |
質量 | 995g(レンズキャップ・フード・三脚座含まず) |
フィルターサイズ | ø72mm |
手ぶれ補正 | 5.0段(レンズ単体) |
フルサイズの標準の大三元の焦点距離は70-200mmが一般的ですが、このレンズは35mm判に換算すると若干広角、望遠共に少し焦点距離が長くなっているのが特徴です。
重さはレンズキャップやフード、三脚座を含まないとギリギリ1kgを切っていますね。
外観について
レンズの外観について見ていきましょう。
大きさが分かりやすいようにX-H2に装着した状態です。こちらもXF16-55mm f2.8同様にレッドバッジが赤く輝いています。
フードを付けるとかなり大きいです。ただし、インナーフォーカスを採用しているのでズームしても筐体が伸びません。
これ以上大きくならないのは救いですね。
フードを内側にして収納した姿です。フード無しの大きさのイメージはこんな感じです。
ちなみに三脚座は取り外すことも可能です。私は三脚を使わず手持ちで撮影する場合は外して持ち歩いています。
カメラ正面から見た感じです。やはりかなり大きいですね。
カメラを使う側から見るとこんな感じです。
非常に高い描写性能
高品質なズームレンズだけにつけることを許されたレッドバッジを持つだけあり、非常に高い描写性能を有しています。
絞り羽が7本と大三元にしては少なめです。心なしか光条も控えめな気がします。
逆光耐性はいいと思います。
リニアモーター内蔵で高速AF
レンズ名に記載されている「LM」はリニアモーターのことです。
そのおかげでAFが非常に早く、狙った被写体に瞬時にピントを合わせてくれます。
スポーツや野生動物など、動く被写体を追いかけるようなシーンでも、ストレスなく撮影を楽しむことができます。
標準ズーム以上に動き物や子どもの撮影など撮影する機会が多くなるレンズだと思うので、このあたりは非常に嬉しいポイントですね。
この写真も自転車にしっかりピントが食い付いています。
前後に動く被写体にピントを合わせるのは難しいのですが、全く問題ないですね。
5.0段分の手ぶれ補正
レンズ名に記載されている「OIS」はレンズ内の光学式手ぶれ補正機能を表しています。
手ぶれ補正もレンズ単体で5.0段分。X-H2のボディ内手ぶれ補正との協調制御の場合は6.0段分の手ぶれ補正効果があります。
この写真は望遠端(35mm判換算約213mm)で手持ち、シャッタースピード1/100秒で撮りましたが全くブレてないですね。
被写体ブレを気にしなくていい状況ならもう少しシャッタースピードを遅くしても大丈夫そうです。
防塵防滴仕様でシーンを選ばない
レンズ名に記載されている「WR」は防塵防滴仕様を表しています。
そのおかげでどんなシーンでも安心して使用できます。
ボケの描写について
APS-C用のため、ボケの大きさは控えめですがキレイなボケ方です。
絞った時はキレのある描写ですが、ぼかした時は柔らかい表現も可能な万能レンズです。
玉ボケの形ですが周辺部分は口径食が目立ちます。XF16-55mm f2.8は口径食が殆ど目立たなかったので余計に気になってしまいますね。
レンズが重い
このレンズのデメリットは、APS-C用にしては重いということです。レンズ単体で995gとほぼ1kgあります。
他の同じ様な焦点距離のレンズと比べると、APS-Cの小型軽量というメリットを活かしにくいかもしれません。
フルサイズ用の望遠大三元レンズと比べてしまえばもちろん軽いと思いきや、最近はⅡ型が出てきて軽量化されているケースもあるため、それほど変わらなくなってきました。
こちらのレンズも発売からほぼ10年近く経っていますから、そろそろⅡ型の話も出てくるかもしれません。
その時はぜひAPS-Cの特性を活かせるよう小型軽量も両立させたレンズになって欲しいですね。
ちなみに最近SIGMAから50-135mm F2.8 DC DNのレンズが出るのでは?との噂が出てきました。
もし本当に出てきて軽かったら乗り換えてしまうかもしれませんね…!
ぜひ純正でもAPS-C機の特性を活かせるレンズがどんどん出てきてほしいと思います!
フードがデカい
このレンズのもう1つの欠点は、フードが大きすぎるということです。
もう一度写真を載せますが、レンズ本体の半分近くの大きさです。威圧感もハンパないですね。
風景等を撮る時はもちろんフードをつけますが、街なかで撮る時はフードを外して運用することが多いですね。
作例
最後にこのレンズで撮った写真をいくつか載せたいと思います。
まとめ
XF50-140mm f2.8 R LM OIS WRは、高い描写性能、高速AF、防塵防滴構造など、プロフェッショナルな機能を備えた高性能な大三元望遠ズームレンズです。
多少の重さや大きなフードといったデメリットはありますが、その魅力はそれを補って余りあるものがあります。しっかりした作りでどんな状況でもクオリティの高い写真を量産することができるレンズです。
このレンズは決して安価な買い物ではありません。しかし、一度手にすれば、その高い性能にきっと満足されるはずです。
ハイクオリティな望遠レンズを探している方は、ぜひ検討してみてください!