ついにFUJIFILMの新しい標準ズームレンズ「XF16-55mm f2.8 R LM WR Ⅱ」が登場しました!旧型「XF16-55mm f2.8 R LM WR」の後継モデルとして、軽量化や描写性能の向上など、いろいろな部分が進化しています。この記事では、新型レンズのスペックや実際に使ってみた感想を交えながら、このレンズがどんな人に合うのかを徹底解説します!
また、少しではありますが作例も入れて確認もしてみたいと思います。
スペックについて
まずはスペックをざっとおさらいしてみましょう。このレンズ、やはり軽さが一番の特徴と言っても過言ではありません。
焦点距離 | f=16-55mm(35mm判換算:24-84mm相当) |
F値 | F2.8~F22 ステップ段差:1/3ステップ(全19段) |
絞り羽 | 羽根枚数:11枚(円形絞り) |
最短撮影距離(撮像素子面から) | 広角:30cm、望遠:30cm |
最大撮影倍率 | 0.21倍(T端) |
質量 | 410g(レンズキャップ・フード含まず) |
フィルターサイズ | ø72mm |
410gという軽さは驚異的で、手に持った瞬間に「あ、これは全然違うな」と数字以上に実感しました。旧型は画質が良いとはいえ、長時間持ち歩くとずっしりと重く感じるレンズでしたが、新型はそんなストレスがありません。
また、フィルター径がø72mmになったのも個人的には大きなポイント。XF50-140mm f2.8と同じサイズになったことで、フィルターを使い回せるのは地味に嬉しいですね。
また絞りリング・リニアモーター・防塵防滴性能は旧型同様に搭載されています。上位互換と言って差し支えない性能と言えるでしょう。
外観について
レンズの外観について見ていきましょう。
X-H2に装着した状態です。旧型同様にレッドバッチが輝いています。
旧型を知っている方にとってはサイズ感も一回り小さいのがわかると思います。
インナーズームではないのでズームするとこのくらい筐体が伸びます。
正面から見るとこんな感じです。これも旧型を知っている方にとってはわかると思いますが、サイズが小さくなったので前と比べて威圧感が少なく感じますね。
カメラを使う側から見るとこんな感じですね。
旧型との比較
まだ手元に旧型のレンズも残っているので大きさの比較をしてみます。
左が新型、右が旧型です。
こうしてみると、やはりかなり小型化されていますね。鏡筒もスリムになっているので、持ち歩く際の取り回しがしやすく、長時間使用しても旧型と比べて疲れにくかったです。
それともう一つ、体感かもしれませんがレンズフードの取り付けがかなりしやすくなった気がします。
旧型はフードが固く、取り付けがしづらい時がありました。特に収納時にフードを逆さに取り付ける際、寒い日はなかなかはまらず苦労した記憶があるのですが、新型はカチッと一発で取り付けられるのは地味にストレスが軽減されます。
描写性能について
次に描写性能について。新型は旧型よりもさらに解像力がアップしています。特に広角端から望遠端まで、どの焦点距離でもクリアでシャープな描写が楽しめるのが素晴らしいです!風景や建築を撮ると、細部までしっかりとした解像感が得られます。
また、ワイド端テレ端共に最短撮影距離が30cmで変わらないので、テレ端側では被写体をかなり大きく移すことができると感じました。(旧型はテレ端で最短撮影距離が40cm)
ボケの質も進化していて、背景がより滑らかに溶け込むような印象を受けました。旧型は玉ボケが年輪ボケが目立つと言われていましたが、目立たなくなったような気がします。(個人的には旧型でもそんなに気になりませんでしたが…。)
絞り羽が9枚から11枚に増えたことで、光条も細くて綺麗に出ます。
焦点距離の自由度も高く、16mmの広角でダイナミックな風景を撮るもよし、55mmの中望遠で人物や物撮りをするもよし。どんなシーンでも万能に使えるのは、やはりこの焦点距離ならではの強みですね。
絞りリングのクリックオン・オフについて
Ⅱ型になって追加されたのが、絞りリングのクリックオン・オフスイッチです。この機能、特に動画撮影をする人にとって便利なのではないかと感じました。クリックオフにすると、滑らかに絞り値を調整できるので、動画撮影時に自然な露出変化を実現できます。
個人的にはあまり動画は撮影しないので、それほど大きなメリットとは感じないのですが、動画を撮影する方にとっては嬉しいポイントとなるのではないでしょうか。
ただし、クリックをオンにしたときのクリック感はかなり控えめです。FUJIFILMのレンズの絞りリングは全体的にクリック感が弱めですが、個人的にはもう少しカチッとしたフィードバックがあったらさらに良かったかなとも思います。このあたりは好みの問題かもしれません。
デメリットについて
もちろん、完璧なレンズというわけではありません。大きな問題とまでは言えませんが、若干気になるデメリットもあります。
- 価格が高め(特に旧型よりさらに値段が上がっています)
- 光学式手ぶれ補正が非搭載(手持ち撮影にはコツが必要)
価格は旧型が当初の売り出し価格が約13万円だったことを考えると高く感じますね。ただし、当時と比べると円安も進んでいるので仕方のないことなのかもしれません。むしろその点を考えるとまだ良心的と捉えることもできるかもしれませんね。
光学式手ぶれ補正がない点は、夜景や暗所での撮影を考えている人には少しハードルが高いかも。ただし、三脚を使った撮影やボディ内手ぶれ補正を使用してシャッタースピードを確保できる環境なら問題なく使えます。
軽さ重視?描写重視?選ぶ基準は
このレンズは、旧型の重さに悩んでいた人にとってはまさに救世主的な存在です。「軽さを手に入れつつ、高画質も妥協したくない!」という方にはピッタリでしょう。
一方、軽量だけを重視するのであれば、SIGMA 18-50mm f2.8 DC DN Contemporaryも選択肢に入ります。
さらに価格面を考えると、重さを許容できるのであれば旧型のXF16-55mm f2.8 R LM WRもまだまだ現役として十分おすすめできます。
旧型については以前記事にしているので良ければ参考にしてください。
どちらを選ぶかは、「軽さ」「価格」「描写性能」のどこに重点を置くか次第。自分の撮影スタイルや予算を考えて選ぶのがベストです。
作例
最後に、新型レンズで撮影した作例をいくつかご紹介します。
まとめ:買い換えるべきか?
「XF16-55mm f2.8 R LM WR Ⅱ」は、小型軽量化と描写性能の向上を両立した、まさに理想的なレンズです。価格が高めであることや手ぶれ補正がない点には注意が必要ですが、それを上回るメリットがあります。
旧型をすでに持っている人でも、軽量化や新機能に魅力を感じるなら買い換える価値があります。特に「カメラを持ち歩く時間が長い」「動画撮影もしたい」という方にはぴったりでしょう。
このレンズが自分の撮影スタイルに合うかどうか、ぜひこの記事を参考に検討してみてください!