【FUJIFILM】X-H2 レビュー どんな用途にも耐えられる万能機【作例あり】

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FUJIFILMのダブルフラッグシップの一角であるX-H2。

私も実際に所有していますが、使い込むほどにその魅力に気づかされます。使っていて感じたことを作例なども交えたうえで紹介していきます。

目次

どんな撮影にも対応できる万能機

最初に結論から書きます。

ズバリ「どんな撮影にも対応できる万能機」です。以下に主な特徴を挙げていきます。

  • 4020万画素による圧倒的な解像感。
  • 最大7.0段の手振れ補正機能
  • バリアングル液晶による撮影自由度の高さ
  • 防塵防滴仕様による耐候性
  • デジタルテレコンによる焦点距離の拡張
  • 8K30pの動画撮影

その他にも様々な機能がありますが、これらのおかげでどんな撮影にも対応できるカメラになっています。

X-H2のスペックについて

基本的なスペックについておさらいです。

サイズ (幅)136.3mm×(高さ)92.9mm×(奥行き)84.6mm
重量660g(バッテリー、SDカード込)
有効画素数約4020万画素
センサーX-Trans CMOS 5 HR
エンジンX-Processor 5 
ISO125~12800
手ブレ補正センサーシフト方式5軸補正7.0段
液晶モニター3インチ 162万ドット
ファインダー0.5型約576万ドット

これ以外にも様々な機能がありますが、ここでは割愛します。

やはり特筆すべきなのは執筆時点でAPS-C機において4020万画素の高画素機となっている点です。

X-H2の外観について

次に外観も見ていきましょう。

やはり特徴的なのはXシリーズにしては特徴的な大きなグリップです。

そのおかげで手にしっかりとフィットし、大きなレンズを装着してもしっかりとホールドすることができます。

続いて背面です。

背面液晶はバリアングル。フォーカスレバーも形状が変わり、位置もボディの上部にあります。

背面液晶については必ずと言っていいほどバリアングルと3軸チルトで論争が起きます。正直ここについては、私は完全に好みで良いと思っています。

一般的にはスチルメインであれば光軸がズレない3軸チルト。動画メインであればバリアングルが良いと言われています。

確かに、横構図で下からあおって撮ろうとしたときにバリアングルの場合は液晶がボディの横にいってしまうので慣れないと違和感があります。

また、液晶を開いたあとに角度を調節する必要があるのが、少し億劫です。

また、縦構図のときはバリアングルでも光軸はズレませんが、こちらも横構図のときと同様に開いたあとに液晶を180度回すという2ステップが必要になります。

3軸チルトの場合どちらのケースでも1ステップで済むので、この辺りの利便性は3軸チルトの方に軍配が上がると思います。

ただ、3軸チルトは思いのほか縦方向への液晶の可動域が狭かったです。

私はほとんどスチルメインなので、やっぱりX-T5が良いかなと思いヨドバシカメラでX-T5を触ってみたのですが、「あれ?ここまでしか動かせないの?」と感じました。

さらに縦構図でかなり下からあおって撮ろうとした場合、3軸チルトだと液晶の半分近くが右手で隠れてしまっていました。

この点、バリアングルは可動域が非常に広く様々なアングルからでもしっかり液晶を確認できるのはメリットだと思います。

また、フォーカスレバーについてですが、形状が変わったことで個人的には操作しやすくなったと感じました。

レバーの位置も私の手の大きさからすると操作する際に持ち帰る必要もなく、ちょうどいい位置にあります。

ただ、手が小さい人は少し遠いと感じることがあるかもしれません。

APS−C機にしてはボディは少し厚めで大きめです。特にグリップ側は顕著です。

この辺りは大型グリップによる持ちやすさ、手ブレ補正機構やバッテリーの大型化とのトレード・オフでしょう。

なお、グリップ側にメモリーカードを挿入するのですが、CFexpress Type BカードとSDカードに対応したデュアルスロットを採用しています。

ボディにはシャッターボタンの他にサブ液晶とモードダイヤル、ISO・WB等のボタンがあります。

モードダイヤルにはカスタムを7つも登録することが可能です。

この7つのカスタムが結構便利で、私の場合はそれぞれ印象の違うフィルムシミュレーションカスタムを登録し、その場の雰囲気に合わせてすぐに変更して撮影できるので重宝しています。

サブ液晶は表示させる情報を選択することが可能です。

私の現在の使い方では撮影時はあまり見ることはないですが、電源を切っている状態でも電池の残量と撮影可能枚数(撮影可能時間)の表示がされるのは便利だと感じました。

個人的にかなり便利なのがシャッターボタンの他にある4つのボタンです。このボタンそれぞれにファンクション設定が可能です。

レンズを付けた状態はこんな感じになります。

Xマウントのレンズの中でも大型の大三元の標準ズームレンズXF16-55 F2.8 R LM WRをつけた状態です。

大きく重いレンズですが、大型グリップによってしっかりとホールドすることができます。見た目のバランスも取れていますね。

X-H2の作例

いよいよメインの作例について載せた上で色々語って行きたいと思います。

圧倒的な解像感

正直ブログでは4020万画素のまま載せるわけにはいかないので、高画素の解像感についてわかりにくいかもしれませんが、雰囲気だけでも伝われば。

最大7.0段の手ぶれ補正

レンズや焦点距離にもよりますが最大7.0段の手ぶれ補正で、手持ちでも長秒露光が可能です。

上記作例は手持ちでシャッタースピード1.6秒で撮影したものになります。

建物はぶれていませんが、車のヘッドライトがしっかりレーザービームになっています。

バリアングル液晶による撮影自由度の高さ

バリアングル液晶のおかげで、地面スレスレの状態でもしっかり画面を見ながら撮影することができます。

3軸チルトの場合は角度によっては手で液晶が一部隠れてしまう場合もあるので、この点はバリアングルの利点ですね。

防塵防滴機構による耐候性の高さ

X-H2は79点のシーリングを施した防塵・防滴・耐低温-10℃構造の優れた耐候性でどんな状況でも撮影できる安心感があります。

写真下部にもしっかり雨が写っているのですが、この写真を撮った時はかなりの土砂降りでした。

ですがカメラは全く問題なくしっかり撮影できました。もちろん、その後の不具合はありません。

ただし、防塵防滴の効果をしっかり得るためには、レンズも防塵防滴である必要がありますのでご注意ください。

富士フイルムのレンズで防塵防滴のものは、レンズ名に「WR」の記載がありますので参考にしてください。

デジタルテレコンによる焦点距離の拡張

上の写真はXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRの望遠端140mmで、更にデジタルテレコン2.0倍を使用した写真です。

デジタルテレコンは要はクロップのことです。

クロップ倍率は1.4倍と2.0倍の二種類で、それぞれクロップすることで約2000万画素と約1000万画素になります。

もとが4020万画素の高画素なので2倍クロップしたとしても十分な画素数を有しています。

デジタルテレコンの2.0倍を使用した後に更にトリミングしました。

およそ200万画素の写真ですが、スマホで見る分には十分耐えられるのではないでしょうか。

被写体検出AIによるAF性能の向上

X-H2は今までのFUJIFILM機に比べてAF性能がかなり向上しました。

私は以前、FUJIFILMのX-T30を使用していましたが、明らかにAFの検出精度が上がったと感じます。

また被写体検出できる数がかなり多いです。X-H2が検出できる被写体は以下の通りになります。

  • 人物
  • 動物
  • バイク&自転車
  • 飛行機
  • 電車
  • 昆虫
  • ドローン

何を検出するかという設定は必要ですが、設定さえしてしまえば、かなり認識してフォーカスを合わせてくれます。

なお、同じくフラッグシップ機である兄弟機のX-H2Sの方がAF性能についてはより上のようです。

8K30pの動画撮影

X-H2は執筆時点ではAPS-C機で唯一8K30p撮影ができる機種です。

さすがに私は8K30pで撮影することはありませんが、8Kオーバーサンプリングによる「4K HQ」は家族の動画を撮る時に利用しています。

その他にも多くの機能を搭載

X-H2は上記の他にも様々な機能を有しています。

  • スムーススキンエフェクト

もともと高画素だったGFXシリーズに搭載されていた機能ですが、X-H2も4020万画素と高画素化したことで写真を拡大表示した際に肌の毛穴等が目立つようになることから搭載されたようです。

現像ソフトで同様の処理を行おうとすると範囲の調整から行う必要があるため結構手間ですが、この機能を使うと肌を自動で認識し、その部分だけなめらかな質感になるように補正してくれるので非常に楽です。

私はポートレート撮影は行ったことはないのですが、家族写真を撮るときはこの機能をよく使っています。

妻や子供の肌がキレイになるのでかなり好評です(笑)

  • メカシャッター最大約15コマ/秒

連射速度はメカシャッターで最大約15コマ/秒の高速連写が可能です。なお、電子シャッターの場合は1.29倍にクロップされますが、最大約20コマ/秒の連射が可能となります。

ただし、4020万画素の高画素機のため1枚あたりのデータが非常に重いです。連写を多用される場合は書き込み速度が高速なCFexpress Type Bカードをおすすめします。

私はスナップや風景写真がメインのため、連写をする機会はあまりないのですが、子供の撮影のときやスポーツ観戦のときは連写を利用しました。

カードはCFexpress Type Bを利用したのですが、全く連写が止まる気配がなく、すぐに書き込みも終了したのには驚かされました。

経験したことがない方はぜひ経験してほしい速さですね(笑)

  • 1/180,000のシャッタースピード

X-H2は電子シャッター時に1/180,000のシャッタースピードが利用可能です。18万分の1ですよ?ちょっとよくわからない数字ですよね…。

ですが、この超高速のシャッタースピードのおかげで真夏の真っ昼間の快晴のときでも大口径レンズのF値開放でNDフィルターを使わずに撮影することが可能です。

  • ピクセルシフトマルチショット

1回シャッターボタンを押すと、20枚の写真を撮影し合成することで1億6千万画素の写真を作成することができます。

ここでもよくわからない数字が出てきました…(笑)

ただし、合成するためには専用のソフトウェアを利用する必要があるので、カメラ内での完結はできません。

私はまだ使用したことはないのですが、少しでもブレがあった場合は合成できないケースが多いようです。つまり三脚が必須ということですね。

被写体ブレの場合も同様だと思うので、風景撮影も風の影響もありそうですしあまり使えないかもしれませんね。

ただし、1億6千万画素の世界は1回は体験してみたいので機会があったら挑戦してみようと思います。

4020万画素高推奨レンズについて

最後に4020万画素の推奨レンズについて述べておきます。

(富士フイルム公式HPより)

非常に誤解を招く書き方ですが、この画像に記載されているレンズじゃないとダメということは全くありません。

※印で小さく書かれていますが、絞り開放時でも画像の周辺までしっかり解像してくれるレンズが記載されているものであり、それ以外のレンズでも少し絞ればきちんと解像してくれますのでご安心ください。

まとめ

X-H2についてレビューしてみましたがいかがでしたでしょうか。

正直、魅力がありすぎて細かいところは書ききれていない部分も多いです。ですがご紹介した機能によりどんな撮影にも対応できる機種だということはお伝えできたと思います。

もちろん、自分が撮影するジャンルが決まっているのであれば、それに特化したカメラを購入するのが一番です。

また、複数のジャンルを取る方でもお金に余裕があればそれぞれに特化したカメラを複数台所有することもあるでしょう。

ですが、1台で様々な撮影をしてみたいという方にとってはX-H2は非常にコストパフォーマンスに優れた魅力的なカメラだと思います。

このレビューがカメラ選びの参考になれば幸いです。

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