SIGMAから発売されているAPS-C向けの単焦点レンズシリーズの1つ。
SIGMA 56mm f1.4 DC DN ContemporaryのX-mountをレビューしていきます。
35mm判換算すると約84mm相当と、いわゆるポートレート向きの画角と言われていますが、小型軽量も相まってスナップでも非常に使いやすかったです。
4,020万画素のX-H2での使用でも全く問題無いほどの描写性能も誇り、多くの方におすすめできるレンズとなっています。
作例も多く交えながら詳しくレビューしていきたいと思います。
スペックについて
レンズの基本的なスペックについて以下に記載します。
レンズ構成 | 6群10枚 |
焦点距離 | 56mm (35mm判換算:84mm相当) |
F値 | F1.4~F16 |
絞り羽 | 羽根枚数:9枚(円形絞り) |
最短撮影距離(撮像素子面から) | 50cm |
最大撮影倍率 | 1:7.4 |
質量 | 280g |
フィルターサイズ | ø55mm |
冒頭でも述べましたが、このレンズは35mm判に換算すると約84mmの焦点距離になります。
F値も1.4と明るく、フルサイズ機に比べてボケが小さくなるAPS-C機でもそれなりのボケは確保できるためポートレートに最適です。
そして特筆すべきはその軽さです。
重量はマウントによって若干異なる場合もありますがそれほど大きな差はなく、Xマウントの場合は280gとなっています。
F値1.4の大口径単焦点レンズにしては驚異的な軽さですね。
外観について
レンズの外観について見ていきましょう。
X-H2に装着するとこんな感じになります。フードを付けてもこの小ささ。
何度もいいますが、このレンズのF値1.4です…!
フードを内側にして収納した姿です。フード無しの大きさのイメージはこんな感じになります。
かなりコンパクトだと思いませんか?これならいつものレンズにプラス1本という感じでバッグに忍ばせていても苦にならない大きさです。
レンズ交換式カメラって文字通りレンズを交換できるのがメリットなんですが、逆にレンズを何本も持ち歩こうとすると重くかさばってしまうのが難点で、結局持ち歩かなくなってしまうんですよね…。
でもレンズの場合、レンズ自体が小さく持ち歩くのも苦じゃないので、気軽にレンズ交換を楽しめます。
開放F値1.4のボケ感
開放F値が1.4とかなり低くすることができるので、大きくぼかすことができます。
合格の文字にピントがあっているのですが、すぐ左の文字がなんて書いてあるのかわからない程ボケています。
この写真だとよりピントの面がわかりやすいと思います。かなりピント面は薄いですよね。
ボケ方については前ボケ後ボケ共に滑らかだと思います。
玉ボケはこんな感じです。
大口径なのでさすがに周辺部分は口径食が強めですが、玉ボケ自体はとても綺麗ですね。
暗所でもISOを上げすぎないで撮れる
F値を低くできるということは、それだけ光を取り込むことができるので暗いところでもシャッタースピードが稼げます。
それはつまりISOをあまり上げずに撮ることができるので、画質の劣化が少ないということです。
この写真手持ちで撮影したのですが、ISOいくつだと思います?
実はISO125で撮れてるんです!シャッタースピードは1/50秒ですので、結構現実的ですよね。
この写真もISO125ですが、シャッタースピードは1/125秒です。
大口径単焦点レンズを手にしたら、夜景スナップはぜひやってみてほしいですね!かなり楽しいですよ!
4,020万画素にも耐える描写性能
SIGMAのレンズはシャープさにも定評があります。
この写真はF値5.6まで絞って撮ったのですが、カリッとした描写でしっかり解像しています。
この写真も同じくF値5.6で撮りました。
X-H2の4,020万画素にも十分耐えられる性能だと思います。
簡易防塵防滴構造
マウント部にゴムのシーリングが採用されているため、少しの雨ならマウント部への水滴の侵入を防げます。とっさの雨でも安心ですね。
ですが、簡易的なものなので過信しないようにしましょう。
傘を指して撮影する分には大丈夫だとは思います。
私もそういった使い方はよくしますが、不具合が起きたことはありません。
純正と比べてお手頃な価格帯
このレンズ。非常に高性能なんですが純正と比べるとかなり安いんです。
純正はF値1.2ですし、しっかり防塵防滴仕様なので単純な比較はできませんが、それでも純正の半額以下で買えるのはかなり魅力的。
最近は純正レンズの値上げがあったのもあって、よりコストパフォーマンスの良さが際立っています。
正直欠点はあまり無い
ここまでこのレンズのメリットを書いてきたので、デメリットも紹介しようと思ったのですが、正直ほとんどありません…!
それくらいコストパフォーマンスに優れたレンズだと思います。
強いて言うなら絞りリングがない事と手ぶれ補正がない事、そして逆光耐性が少し弱いかな?と思う程度です。
若干フレアやゴーストが出ていますが、この価格帯のレンズであれば十分及第点です。
手ぶれ補正も最近はボディ内手ぶれ補正を搭載した機種が増えてますのでそこまで気になりません。
絞りリングについてはあったほうが良いと思いますが、正直慣れだと思います。
特に私が使用しているX-H2はモードダイヤル式のボディなので見た目的にもほとんど違和感はありません。
作例
最後にこのレンズで撮った写真をいくつか載せたいと思います。
まとめ
SIGMA 56mm f1.4 DC DN Contemporaryは、そのコンパクトなデザインと高い描写性能、そして明るいF1.4の絞りで、多くの撮影シーンに対応する万能レンズです。
そのコストパフォーマンスと画質を考慮すれば、購入を検討する価値は十分にあります。ポートレート撮影はもちろん、日常的なスナップ撮影で高い画質を求める方にとってもこのレンズは非常に魅力的な選択肢になると思います。
軽い!安い!ボケる!といいとこ尽くしのレンズです!
35mm版換算で約84mmという画角は少し狭いかもしれませんが、それが日本の狭い道には意外とマッチしていて、スナップでもかなり使いやすいです。
初めての単焦点レンズとしても強くおすすめできます。明るい単焦点を購入してみたいという方はぜひ検討してみてください。